不妊治療の検査

月経周期とホルモン

女性の身体は、月経周期に合わせて常に変動をくり返します。
大きく分けると、脳下垂体から分泌されるホルモンと卵巣から分泌されるホルモンがあります。

月経周期について

卵胞期 月経1日目から卵胞期に入り、FSH(卵胞刺激ホルモン)の作用で数個の卵胞が成長を始めます。卵胞の発育に伴ってエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されます。
排卵期 エストロゲン(卵胞ホルモン)がある量に達するとFSH(卵巣刺激ホルモン)が減少し、急激にLH(黄体化ホルモン)が分泌され排卵が起こります
黄体期 排卵した抜け殻の卵胞は黄色の黄体にかわりプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌します。
基礎体温

ホルモンについて

部位 ホルモンの種類 生理的作用
脳下垂体 卵胞刺激ホルモン
(FSH)
卵巣に働き、卵胞を成熟させます。このホルモンが少ないと卵巣がうまく働かず、生理がこなくなることもあります。
黄体化ホルモン
(LH)
排卵直前に普段の数倍の量が分泌され、成熟卵胞から卵を排卵させます。排卵後は、残った卵胞を黄体にかえていきます。
卵巣 卵胞ホルモン
(エストロゲン)
成熟した卵胞から分泌され、子宮内膜を厚くし、頸管粘液(おりもの)を増やします。
黄体ホルモン
(プロゲステロン)
体温を上昇させ、エストロゲンによって厚くなった子宮内膜をさらに着床しやすい状態にします。

不妊検査

当クリニックでは検査と治療を並行して進めます。
特に大切と考えられる精液検査と超音波下子宮卵管造影検査(ExEm® Foam Kitを用います)についてはなるべく早い段階で行います。

検査について

※不妊治療の検査は月経周期に合わせて行われます。

血液・ホルモン検査

卵巣の予備能力(AMH)とは、卵巣の中にどれくらい卵の数が残っているか、採血で調べる検査です。
血液検査でホルモンが正常に分泌されているかを調べます。ホルモンは、月経周期により大きく変動します。
(FSH、LH、PRLは月経2~5日目)

超音波子宮卵管造影検査(月経終了後〜10日目

  • 痛みが少ない
  • 安全に行える
  • 甲状腺ホルモンに影響を及ぼさない

超音波子宮卵管造影検査は日本で広く行われている造影剤を使用した子宮卵管造影検査と比べ、痛みが少ないのが最大の利点です。また、妊娠初期の流産と関連があると言われている甲状腺ホルモンに影響しない検査です。

経腟超音波検査

子宮の形や子宮内膜の状態、卵胞の大きさなどを見ることができます。